スピードラーニングの誤算

スピードラーニングと似た後発の聞き流し教材の脅威

「発売から20年のロングセラー」と宣伝をしているスピードラーニング、しかしこの20年間で大きな誤算があったと筆者は感じる。

 

今から数年前、聞き流すだけのスピードラーニングと非常に似たコンセプトの英会話教材が発売された。

 

ここではその教材名は出ず、「後発の聞き流し教材」と言うことにしたい。

 

(名前を出さずとも英語の勉強をしている人であれば分かるはずだから意味はないが)

 

この後発の聞き流し教材がスピードラーニングにとって大きな誤算だっただろうと筆者は感じている。

 

なぜなら、スピードラーニングを改良したイメージで、スピードラーニングと非常に似た教材を制作し販売しているからだ。

 

そして、その後発の聞き流し教材が市場シェアを伸ばしているのだ。

 

なぜスピードラーニングにとってこの後発の聞き流し教材が誤算だったと筆者が考えるのか、その理由を見ていくことにしたい。

 

 

20万円のスピードラーニングと似た内容で3万円という価格設定

 

スピードラーニングは総額約20万円(一括購入時でも約16万円)の高額な教材だ。

 

それに対して後発の聞き流し教材の価格は約3万円。

 

ともにコンセプトは英会話シーンを聞き流すだけ。

 

スピードラーニングは初回こそ安く購入できるが、トータルでこれほどの価格差があれば、3万円の教材の購入を考える人がいるのは当然のことだろう。

 

 

開発者が誰なのかを明確にしない販売方法

 

スピードラーニングの開発者の大谷登氏は「聞き流すだけで英語が話せるようになった」としてスピードラーニングを売り出した。

 

このように自身の体験を元にして作られたのがスピードラーニングだ。

 

それに対して後発の聞き流し英会話教材は、開発監修者はいるが開発者は不明となっている。

 

つまりは「私は聞き流すだけで英語が話せるようになったのでこの教材を作りました」というスタンスを取っていないということだ。

 

一見どうでも良さそうなことだが、これは結構重要な事だ。

 

なぜなら、開発者が明確で、かつ、開発経緯が開発者の体験によるものであれば、何かと開発者に責任が問われることになるからだ。

 

スピードラーニング開発者の大谷登氏はどのくらい英語が話せるの?

 

どこの大学で英語を学び、どれくらい指導経験があるの?

 

TOEICは何点なの?英検は何級なの?

 

このように矛先が開発者に向く傾向があると感じる。

 

だが開発者が不明であれば、これらの矛先を特定の誰かに向けることは難しい。

 

それゆえに後発の聞き流し教材は「聞くだけで英語が話せるようになる」という強気の広告宣伝をしやすいように筆者は感じる。

 

 

教材内容の改善

 

スピードラーニングも後発の聞き流し教材もその方法は同じく「聞き流すだけ」。

 

しかし、先に発売されたスピードラーニングの内容を改善したかのようにも思えてしまうのが後発の聞き流し教材だ。

 

CDの音声について、スピードラーニングはネイティブスピーカーが話す自然なスピードの英語を聞くことができる。

 

それに対して、後発の聞き流し教材は通常速度の音声だけでなく、高速の音声による学習を取り入れた。

 

また、スピードラーニングのテキストには解説がないが、後発の聞き流し教材はテキストの中に解説も入れることで学習しやすくなっている。

 

さらには学習する題材についても、基礎的な英会話表現を中心にすることで学習へのハードルが下がり、英語の初心者でもストレスなく進められるようになっている。

 

このように、先に発売されたスピードラーニングを見て、より良くできることは何かを考えて教材を作ったように思えてしまうのが後発の聞き流し教材だ。

 

すべてを改良し、すべてが優れているというわけではなく、電話レッスンなどスピードラーニングの方が優れていると感じる面も多い。

 

しかし、言葉は悪いかもしれないが、後出しジャンケンで勝ちを狙ったようなものだ。

 

 

「聞き流すだけ」という教材コンセプトの販売方法を先に考えたのはスピードラーニングだが、後発の業者にうまいことそれを真似されてしまったのはスピードラーニングにとって大きな誤算だったろう。

 

そして、ものすごい勢いで体験者を獲得している。

 

体験者が100万人いることを考えると、これは正しい数字かは知らないが、英会話教材の市場シェア2位ではないだろうか。

 

このように聞き流す教材が市場シェアの上位を占めているのが日本の英会話教材の事情だ。

 

互いに良い教材であることは間違いないが、やはり「聞き流すだけ」や「流して聞くだけ」という宣伝は人の心に刺さりやすいのだと感じる。

 

 

スピードラーニング画像9