スピードラーニングのTOEICへの効果

スピードラーニングのTOEICへの効果は本当なのか

古川さんという男性がスピードラーニングを聞き流したことでTOEICで870点を取れたという広告が大々的に出されている。

 

インターネットを使っている人であれば、目にしたことがあるかもしれない。

 

このTOEIC870点というスコアは決して簡単なスコアではない。

 

一般的にTOEICは860点以上が最高ランクとされていて、このランクにいる人は極めて英語の運用能力が高いとされている。

 

TOEICについて詳しくない人もいるかもしれないので、少しだけTOEICというものに触れておく。

 

TOEICとはビジネスの場面での英語力を測定するための試験で、アメリカのETSという非営利団体が主催をしている。

 

試験科目はリスニングとリーディングのみで、配点はそれぞれ495点ずつの合計990点満点でスコアが付けられる。

 

すべての問題はマークシートでの回答になるので、自らの手でペンを動かして英語を書いて回答をする問題はない。

 

まずはじめに私が不思議に思うことは、聞くことがメインのスピードラーニングでなぜTOEICのリーディングの点数も上がってしまったのかということだ。

 

リスニングの点数が上がることはもちろん納得ができる。

 

しかし、870点という点数に関しては、仮にリスニングが495点満点であったとしても少なからずリーディングで375点を取得していることになる。
(実際の採点方式はもう少し複雑だがここではそれについては論議をしない)

 

実にこれはおよそ正答率75%ということになる。

 

聞く学習だけで、難しいとされるTOEICのリーディングの点数がなぜこれほど取れてしまうのか。

 

筆者としてはどうしても不可解に感じる。

 

次に不思議に思うことは、テキスト不要・辞書不要として単語や文法は特に学ぶ必要がないとするスピードラーニングを使って、文法知識が重要になるTOEICでなぜ点数が上がるのかということだ。

 

特に、TOEICのパート5とパート6については半分以上が文法知識を問う問題であるのに、なぜそれが解けるようになるのだろうか。

 

また、TOEICはビジネスの場面の英語の運用能力を測定する試験である。

 

それに対してスピードラーニングはオフィスでの会話などもあったが、主となるのはアメリカ文化を聞いて学ぶことである。

 

実際にスピードラーニングのビジネス版が販売されていることを考えると、通常のスピードラーニングは決してビジネス英語に特化しているわけではないことは明白だ。

 

この点を考慮すれば、決してTOEICの内容と直接的に強い関係があるわけではない。

 

なぜTOEICのようなビジネス英語が主ではないスピードラーニングを聞くことでTOEICを解く力がつくのだろうか。

 

筆者はこれも不思議でならない。

 

だからこそ筆者が感じるのは、この古川さんという男性は特殊であった可能性が高いということだ。

 

古川さんについて詳しくは知らないが、海外の会社との商談などがあるような企業に勤めていることは分かる。

 

そもそもとして、このような海外に関連を持つ企業に入れるだけの頭脳や学歴を持った人物であることは忘れてはならないと思う。

 

本人がそれをどう感じているかは知らないが、つまりはスピードラーニングを使う以前に大学などで英語を学んできた経験があるはずだ。

 

また、このように海外との関連を持つ企業というのは、社内で英語の教育を実施していたり、英語を学ぶことに補助金が出たりすることもあるものだ。

 

筆者としては、純粋にスピードラーニングの聞き流しのみだけでなく、古川さんのTOEIC870点の裏には様々な事情もあったからこそ達成できたのではないかと考えている。

 

だから彼の870点という数字は誰もが鵜呑みにできるわけではないだろうし、再現性は限られているとも思う。

 

古川さんに影響を受けて、スピードラーニングでTOEICへの効果を求めようと考える人は、一度立ち止まり、自分には再現性があるかどうかを考えてみてほしい。

 

スピードラーニングを聞き流すことで、もちろんリスニングは上達するのでTOEICのリスニングセクションの点数アップは狙うことができるだろう。

 

しかし、それならばスピードラーニングではなくTOEICの問題に沿った音声を聞き流した方が効果は高くなるだろう。

 

また、リーディングについては英語を聞き流すことよりも、英語を読むことの方が上達につながると考えられる。

 

このような理由から筆者としては、スピードラーニングがTOEICに対して劇的に効果がある教材ではないという結論でまとめることにしたい。

 

それにしても古川さんは広告でここまで自分の顔と名前が全国に出てしまうと想像していたものだろうか。

 

TOEICのスコアはすばらしいが、筆者としては少し気の毒に思ってしまうものだ。

 

 

スピードラーニング画像5